運命の赤い糸。
その端は誰につながっているんだろう。
あなたの小指にもはまっていますか・・・?
「何くらい顔してんだよ?」
教室の窓から夕焼けを眺めていたら、部活が終わったのだろうか薫が入ってきた。
「え、暗い顔してた?」
「あぁ。なんか不安なことでもあるのか?」
薫と私が付き合い始めて3ヶ月。
今でも夢なんじゃないかと思う。
だから、不安になる。
「笑わないでよ?」
私のすぐそばまで近づいてきていた薫を上目遣いに見上げる。
「俺が、遥のこと笑ったことなんかあったか?」
「なかったけど・・・。あのね、私と薫は赤い糸で結ばれてるのかな〜って」
笑われると思った。
馬鹿にされるかもしれないとも思った。
だって、私が今言ったことはとても馬鹿げた事だと自分でも思っているから。
「なんでそんなこと・・・」
上から聞こえてきた声に恐る恐る顔を上げてみると、普段とは違う薫の顔があった。
やっぱり、怒ったのかな・・・?
「赤い糸が切れちゃうんじゃないかって・・・。そ・・それっ・・で・・・」
泣きたくなんかなかったのに・・・。
どうしよう。涙があふれて止まらない。
「ごめ・・・」
何に対して謝ろうと思ったのかはわからない。
でも、とても薫に謝りたい気分だった。
薫の顔が見れなくって、俯いたままでいた。
すると、優しく薫が抱きしめてきた。
「赤い糸なんか関係ない。切れてしまうという不安に駆られるなよ」
薫は抱きしめた私の首筋に自分の顔をうずめた。
「細い糸なんかじゃなくって、俺が遥を捕まえて離さないから」
「・・・うん」
薫が首筋に顔を埋めてくれてよかった。
きっと今、自分の顔は真っ赤だ。
もしかしたら、薫の顔も赤いのかもしれない。
「約束ね」
「約束じゃない。これは、俺がお前にする『誓い』だよ」
いつの間にか、薫は顔を上げていて、意志の強い瞳と目があった。
「離さないでいてね」
「あたりまえだろ?」
ほら、目を閉じれば見えてくる。
赤い糸で惹かれあったヒトの姿が・・・。