背中に感じる君の温かさ。
聞こえないか不安になる僕の鼓動。
回された手が予想以上に小さくて、すぐに壊れてしまいそうで不安になった。

「大丈夫?」

顔は見えないけれど、きっと心配そうな顔をしている君。

「平気だよ」

嘘。
坂道を登るのは結構辛い。
でも、言えない。
言えるわけない。
言ったらこの温もりが消えてしまうだろうから。

「絶対この坂登ってやるって決めてるんだ」

これは本当。
もし、登りきることができたなら・・・。
あの日言えなかった「大好きです」と言う言葉が言える気がする。

そう思うと力が湧いた。
登りきるまで3メートル。
残りの距離が縮まるように、僕と君の距離も縮めばいい。