貴方が私のことを見ていないということは分かっていた。
「なぁ、美穂・・・。慰めてくれない?」
何の連絡もなしにいきなりやって来る貴方。
そしていつもと同じ笑いを顔に張り付かせ、私を押し倒してくるのもいつものこと。
この関係にももう慣れてしまった。
「なに?何考えてるの?」
行為に集中しない私に不満を持ったのか、私の体をいじる手付きが乱暴になる。
「・・・・・・っ。な、にも」
「本当に?ならいいや」
貴方はこの行為が終わったらさっさとこの部屋を出て行くだろう。
何もなかったような顔をして。
私ばかりが貴方に狂っていく。
でも、そんなのって悔しいじゃない?
「早く・・・終わらせてよね」
だから私の本心は絶対に教えてあげない。
「はいはい。付き合わせてるお礼に思いっきり悦くしてあげるよ」
首筋にうずめてくる貴方の頭を抱きしめたいと思っているなんてことも絶対に教えてあげるものですか。
それは私が貴方に対して唯一持っている秘密なのだから。